バーベキューなど、bbq前日の準備で大変な、なすの下ごしらえを前日に済ませたいと思ったことはありませんか。
この記事では、なすの変色を防ぐ前日の下ごしらえ方法を徹底紹介します。
なすの特徴であるアクへの対処法として、基本のアク抜きの方法はもちろん、もしアク抜きを忘れたり、アク抜きしすぎたりした場合のリカバリー術も紹介。
さらに、電子レンジで下ごしらえする時短テクニックから、料理別下ごしらえ方法まで幅広く網羅しています。
新鮮ななすの見分け方や上手な切り方、ヘタとガクの上手な取り方、そして正しい保存方法を知ることで、調理が格段にスムーズになります。
場合によっては下ごしらえをしない選択肢についても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
- なすの変色を防ぐ前日準備のコツ
- 用途に合わせた最適な下ごしらえ方法
- アク抜きの正しい手順と注意点
- BBQや普段の料理に活かせる時短テクニック
なすの下ごしらえを前日に行う基本

- 新鮮ななすの見分け方
- なすの特徴と変色しやすい性質
- ヘタとガクの上手な取り方と切り方
- なすの変色を防ぐアク抜きの方法
- アク抜きを忘れた・しすぎた場合は?
- 前日の下ごしらえ方法と保存のコツ
新鮮ななすの見分け方
おいしいなす料理を作るための第一歩は、新鮮な素材を選ぶことです。
スーパーマーケットでなすを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえるだけで、鮮度の良いものを見分けることができます。
最も重要なチェックポイントは、皮の色とハリです。
なすの皮は「茄子紺」と呼ばれるように、濃く深い黒紫色をしており、表面にツヤとハリがあるものが新鮮な証拠です。
色が薄くなっていたり、表面にシワが寄っていたりするものは、収穫から時間が経っている可能性が高いでしょう。
次に、ヘタの状態を確認します。
ヘタの切り口がみずみずしく、緑色が鮮やかなものが新鮮です。
また、ガク(ヘタの下のギザギザした部分)にあるトゲが、触ると痛いくらいに鋭く尖っているものは、非常に鮮度が高い証拠と言えます。
時間が経つとトゲは丸くなり、ヘタも茶色く変色してくるため、良い判断基準になります。
鮮度の良いなすのチェックリスト
- 皮の色が濃い黒紫色で、全体にツヤとハリがある
- ヘタの切り口がみずみずしく、乾燥していない
- ガクのトゲが鋭く尖っている
- 手に持ったときに、ずっしりとした重みを感じる
- 表面に傷や色ムラがない
最後に、手に持ってみてずっしりとした重みを感じるかどうかも確かめてください。
なすは成分の90%以上が水分なので、重いものは水分が豊富で中身がしっかり詰まっている証拠です。
大きさの割に軽いものは、水分が抜けてしまっている可能性があります。
なすの特徴と変色しやすい性質

なすは調理しやすく様々な料理に合う万能野菜ですが、いくつかの特徴を持っています。
特に、切った後の変色については、多くの方が経験したことがあるでしょう。
この性質を理解することが、下ごしらえを成功させる鍵となります。
なすが変色する主な原因は、ポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」という成分にあります。
これはなすのアクの主成分でもあり、空気に触れると酸化酵素の働きによって酸化し、切り口が褐色に変わってしまうのです。
この変色は見た目が悪くなるだけでなく、料理に渋みやえぐみを与えてしまうことがあります。
なすのアクは体に悪いの?
なすのアクの成分「クロロゲン酸」はポリフェノールの一種で、抗酸化作用があるなど、健康に良い効果も期待される成分です。
そのため、必ずしも完全に取り除く必要はありません。
料理の見た目や味わいに応じて、アク抜きをするかどうかを判断するのがおすすめです。
また、なすの果肉はスポンジ状になっており、油を吸収しやすいという特徴も持っています。
炒め物や揚げ物にすると、油を吸ってコクが増し、とろりとした食感になるのはこのためです。
ただし、油の量を調整しないとカロリーが高くなりがちなので注意が必要です。
この性質を逆手に取り、電子レンジでの下ごしらえ時に少量の油をまとわせることで、色止めと風味向上を両立させることもできます。
ヘタとガクの上手な取り方と切り方

なすのヘタやガクの処理、そして料理に合わせた切り方は、仕上がりの見た目と味の染み込み方を大きく左右します。
基本的な処理方法と、代表的な切り方を覚えておきましょう。
ヘタとガクの処理
ヘタを完全に切り落とす方法が最も簡単です。
ヘタと実の境目に包丁を水平に入れて切り落とします。
乱切りや輪切りなど、なすの形を問わない料理に向いています。
一方、焼きなすや煮物などでなすの形を活かしたい場合は、ガクだけを取り除く方法がおすすめです。
ヘタの周りを包丁でぐるりと一周するように切り込みを入れ、ガクの部分を手でむき取ります。
こうすることで、ヘタが残り、見た目がきれいに仕上がります。
料理に合わせた切り方
切り方 | 特徴と向いている料理 |
---|---|
輪切り | 火の通りが均一で、炒め物や煮浸し、麻婆なすなど幅広く使えます。厚みを揃えるのがポイントです。 |
半月切り | 輪切りをさらに半分にした形。カレーやラタトゥイユなど、他の具材と大きさを合わせたい時に便利です。 |
乱切り | なすを回しながら斜めに切る方法。断面が広くなるため味が染み込みやすく、煮物や炒め物に最適です。 |
隠し包丁 | 皮に格子状や斜めに浅く切り込みを入れること。味が染み込みやすくなるだけでなく、加熱による皮の破裂を防ぎ、見た目も美しくなります。 |
皮を縞目にむく「縞むき」もおすすめです。
ピーラーで縦に数カ所皮をむくだけで、火の通りが早くなり、味も染み込みやすくなりますよ。
なすの変色を防ぐアク抜きの方法

なすの変色を防ぎ、えぐみを和らげるためにはアク抜きが効果的です。
調理法によって最適な方法が異なりますので、3つの基本的なアク抜きの方法を覚えましょう。
方法1:水にさらす
最も手軽で一般的な方法です。
切ったなすをボウルに入れた水に5〜10分ほど浸します。
なすが浮いてきてしまうため、上からお皿を乗せるなどして全体が水に浸かるようにするのがコツです。
サラダや漬物など、なすの風味を活かしたい料理に向いています。
方法2:塩水にさらす
水に0.5〜1%程度の塩を溶かした塩水にさらす方法です。
水にさらすよりも変色防止効果が高まります。
ただし、長く浸けすぎると塩味が強くなるため、時間は5分程度にしましょう。
色をきれいに仕上げたい煮物やおひたしにおすすめです。
方法3:塩を振る
切ったなすの切り口に直接塩を振り、5分ほど置いておく方法です。
なすから水分(アクを含む)が出てくるので、キッチンペーパーでしっかりと拭き取ります。
この方法は、炒め物や揚げ物など、油で調理する場合に特に有効です。
余分な水分が抜けるため、油がはねにくく、味が水っぽくなるのを防げます。
アク抜き時間の注意点
アク抜きのために長時間水にさらしすぎると、なすの栄養素が流れ出てしまうだけでなく、水分を吸いすぎて食感が悪くなる原因になります。
アク抜きは10分以内を目安に行いましょう。
アク抜きを忘れた・しすぎた場合は?

下ごしらえでうっかりアク抜きを忘れてしまったり、逆に長く水に浸けすぎてしまったりすることもあるかもしれません。
そんな時でも、慌てずに対処法を知っておけば安心です。
アク抜きを忘れた場合
なすのアクは体に害があるものではないため、アク抜きを忘れても食べる上での問題はありません。
特に、麻婆なすのような炒め物、天ぷらなどの揚げ物、トマトソースやカレーでの煮込み料理など、油を使ったり味付けが濃かったりする料理では、アクの渋みはほとんど気にならなくなります。
変色が気になるかもしれませんが、調理してしまえば目立たなくなることが多いです。
そのまま調理を進めても大丈夫です。
ただし、浅漬けやサラダなど、生に近い状態で食べる料理や、薄味の煮物などの場合は、渋みや見た目の悪さが気になる可能性があります。
アク抜きしすぎた場合
なすを長時間水にさらしすぎると、水溶性の栄養素が流出してしまう可能性があります。
また、なすが水分を吸いすぎてしまい、調理した際に水っぽく、べちゃっとした食感になりがちです。
もしアク抜きをしすぎてしまったと感じたら、調理前にキッチンペーパーで水気をできる限りしっかりと拭き取ることが重要です。
特に炒め物や揚げ物にする際は、念入りに水分を取り除くことで、油はねを防ぎ、食感の悪化を最小限に抑えることができます。
前日の下ごしらえ方法と保存のコツ
バーベキューや翌日の調理をスムーズにするため、前日になすの下ごしらえを済ませておくと非常に便利です。
変色させずに良い状態で保存するには、いくつかのコツがあります。
前日に下ごしらえをする場合、最も重要なのは酸化を防ぐことです。
そのためには、切った後すぐにアク抜き処理を行う必要があります。
前日下ごしらえの手順
- なすを洗い、料理に合わせた大きさに切る。
- すぐにボウルに入れた塩水(または酢水)に10分〜1時間程度浸してアク抜きをする。
- アク抜きが終わったら、ザルにあげて水気を切る。
- キッチンペーパーを使い、なすの表面の水分を一つ一つ丁寧に拭き取る。
- 密閉できる保存袋や容器に入れ、空気をしっかり抜いてから冷蔵庫の野菜室で保存する。
この手順で、切ったなすの変色を最小限に抑え、翌日でもおいしく調理することができます。
水分が残っていると傷みの原因になるため、水気をしっかり拭き取ることが最大のポイントです。
保存は、なすが低温に弱いため、冷えすぎない野菜室が最適です。
料理別!なすの下ごしらえを前日に行うコツ

- 下ごしらえをしない調理法もある
- 電子レンジで下ごしらえを時短
- 料理別下ごしらえ方法のポイント
- バーベキューなどbbq前日の準備
- なすの下ごしらえは前日に済ませて楽々調理
下ごしらえをしない調理法もある
これまでアク抜きの重要性を紹介してきましたが、実は、料理によってはアク抜きや下ごしらえをしない方が良い場合もあります。
時間がない時や、なすの栄養を無駄なく摂取したい場合に知っておくと便利な知識です。
アク抜きが不要な代表的な調理法は、油を多く使う料理です。
例えば、炒め物、揚げ物、素揚げなどがこれにあたります。
なすを高温の油で調理すると、アクの成分が分解され、渋みやえぐみが感じにくくなります
。また、油がなすの切り口をコーティングするため、変色も進みにくくなります。
切ってすぐに調理する場合は、アクが回る時間がないため、アク抜きは基本的に不要です。
特に新鮮ななすはアクが少ないため、そのまま調理してもおいしくいただけます。
また、カレーやトマト煮込みのように、味が濃く、香辛料や酸味の効いた料理の場合も、なすのアクはほとんど気になりません。
このような料理では、下ごしらえを省略して、切ったなすを直接鍋に入れて調理することで、手間を省くことができます。
なすのポリフェノールを丸ごと摂取できるというメリットもあります。
電子レンジで下ごしらえを時短

なす料理、特に炒め物などを作る際に「なすが油を吸いすぎてしまう」と悩んだことはありませんか。
この問題を解決し、さらに調理時間を短縮できるのが、電子レンジを使った下ごしらえです。
あらかじめ電子レンジでなすに火を通しておくことで、いくつかのメリットが生まれます。
レンジを使った下ごしらえのメリット
- 時短になる: 生から炒めるよりも早く火が通る。
- 油の量を減らせる: なすが油を吸いすぎるのを防ぎ、ヘルシーに仕上がる。
- とろとろの食感に: なすの水分で蒸された状態になり、柔らかくジューシーになる。
電子レンジでの下ごしらえ手順
手順は非常に簡単です。
- なすを食べやすい大きさに切り、水に数分さらしてアク抜きをする(省略可)。
- 水気をしっかり拭き取ったなすを耐熱皿に並べる。
- 少量の油(サラダ油やごま油など)をなす全体に絡める。
(ポイント:油でコーティングすることで、加熱による変色を防ぎ、きれいな紫色を保てます) - ふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)でなす1本あたり2〜3分加熱する。
加熱後は、そのまま炒め物や和え物、煮浸しなどに使えます。
このひと手間で、料理の仕上がりが格段に良くなりますので、ぜひ試してみてください。
料理別下ごしらえ方法のポイント

なすは調理法によって最適な下ごしらえが異なります。
それぞれの料理でなすの魅力を最大限に引き出すためのポイントを整理しました。
炒め物・揚げ物
油を吸いやすい性質をコントロールすることが重要です。
アク抜きは「塩を振る」方法が最適。
余分な水分が抜けるため、油はねを防ぎ、味が凝縮されます。
また、前述の通り電子レンジでの予備加熱も非常に効果的です。こ
れにより、使用する油の量を減らしつつ、中までしっかり火が通ったとろりとした食感に仕上がります。
煮物・煮浸し

きれいな色と、だしをたっぷり含んだジューシーな食感が求められます。
変色を防ぐため、「塩水でのアク抜き」がおすすめです。
また、皮に隠し包丁を入れることで、味が染み込みやすくなり、見た目も美しくなります。
一度油でさっと揚げるか炒める「油通し」をしてから煮ると、コクが出て煮崩れも防げます。
漬物・サラダ
生に近い状態で食べるため、アクによる渋みやえぐみをしっかり取り除くことが大切です。
「水または塩水にさらす」方法で丁寧にアク抜きを行いましょう。
特に漬物にする場合は、塩もみをして水分を出す工程が、味を染み込ませる上で重要になります。
料理の目的に合わせて下ごしらえを使い分けることで、いつものなす料理がワンランクアップしますよ!
なすのバーベキュー(bbq)前日の準備

バーベキュー(BBQ)の野菜として、なすは非常に人気があります。
炭火で焼いたなすは、中がとろりとして格別のおいしさです。
BBQをスムーズに楽しむために、前日からのなすをはじめ食材は準備しておきましょう。
なすの前日に行う下ごしらえのポイントを紹介します。
おすすめの切り方と焼き方
BBQでなすをおいしく焼くには、丸ごと焼くのが一番のおすすめです。
皮にフォークなどで数カ所穴を開けておけば、破裂を防げます。
皮が真っ黒になるまでじっくり焼くと、中の水分が蒸発せず、ジューシーでとろとろの焼きなすが完成します。皮は熱いうちに手で簡単にむけます。
切ってから焼く場合は、1cm以上の厚めの輪切りや斜め切りにしましょう。
薄すぎると水分が飛んでパサパサになってしまいます。
切り口にオリーブオイルやサラダ油を塗っておくと、乾燥を防ぎ、ジューシーに焼き上がります。
前日の下ごしらえ
前日に切っておく場合は、変色対策が必須です。
「前日の下ごしらえ方法と保存のコツ」で紹介した通り、切ったなすを塩水か酢水に浸してアク抜きをし、水分を完全に拭き取ってから密閉容器で冷蔵保存しましょう。
BBQ当日のひと工夫
BBQ当日は切ったなすを、焼肉のタレやオリーブオイル、ハーブソルトなどを入れた保存袋に入れておけば、味が染み込んでさらに美味しくなります。
当日は袋から出して焼くだけなので、手間もかかりません。
なすの下ごしらえを前日に!変色させない保存術を総括
この記事のポイントをまとめます。
- 新鮮ななすは皮にハリとツヤがありヘタのトゲが鋭い
- なすの変色はアクの主成分ポリフェノールが原因
- 切ったなすは空気に触れると酸化して褐色になる
- アク抜きは変色を防ぎ渋みを取り除くために行う
- アクの成分は体に害はないため調理法によっては省略可能
- アク抜き方法は水、塩水、塩振りの3種類が基本
- 水にさらしすぎると栄養が逃げ水っぽくなるので注意
- 炒め物や揚げ物はアク抜き不要、または塩振りが最適
- 前日に下ごしらえする場合は塩水処理と水分除去が必須
- 切ったなすの保存は密閉容器に入れ冷蔵庫の野菜室へ
- 電子レンジでの予備加熱は時短と油の節約に繋がる
- レンジ加熱前に油を絡めると色鮮やかに仕上がる
- バーベキューでは丸ごと焼きや厚切りがおすすめ
- BBQ用に切る場合も前日準備が可能
- 料理の目的に合わせて下ごしらえを使い分けることが上達のコツ