シマチョウの焼肉を家で楽しみたいけれど、下処理が難しそうだと感じていませんか。
この記事では、まずシマチョウとは?特徴と人気の理由について紹介し、独特の臭みの原因と正しい下処理手順を詳しくご紹介します。
塩・酢・牛乳を使う臭み取り方法や、具体的なシマチョウの洗い方と水抜きのコツも網羅しています。
これさえ読めば、家庭で簡単にできる下ごしらえ術が身につきます。
さらに、下処理後の保存と冷凍のポイントや、美味しい焼肉用シマチョウの選び方まで紹介します。
焼き方についても、フライパンで焼くコツから、炭火焼で外カリ中トロに仕上げる秘訣、シマチョウと相性の良いタレ、そしておすすめのシマチョウ部位と食べ方まで、シマチョウを丸ごと楽しむための情報を凝縮しました。
- シマチョウの臭みを完璧に取り除く下処理方法
- 家庭でできる簡単な下ごしらえの手順
- 保存方法と美味しい焼肉の焼き方の秘訣
- シマチョウの選び方からおすすめのタレまで
シマチョウ下処理の基本と焼肉のコツ

- シマチョウとは?特徴と人気の理由
- 臭みの原因と正しい下処理手順
- シマチョウの洗い方と水抜きのコツ
- 塩・酢・牛乳を使う臭み取り方法
- 家庭で簡単にできる下ごしらえ術
- 下処理後の保存と冷凍のポイント
- 焼肉用シマチョウの選び方
シマチョウとは?特徴と人気の理由
シマチョウは、牛の大腸の部分を指します。
ホルモンの中でも特に人気のある部位で、その名前は表面の縞(しま)模様に由来していると言われています。
最大の特徴は、たっぷりとついた脂の甘みと、噛みごたえのあるプリプリとした食感です。
焼肉で焼くと、この脂が溶け出して独特の旨味(うまみ)が口の中に広がります。
このため、「ホルモンの王様」とも呼ばれ、多くの焼肉ファンに愛されています。
豆知識:シマチョウとテッチャンの違い
「シマチョウ」は主に牛の大腸を指す関東での呼び名です。
一方、「テッチャン」は韓国語で大腸を意味する「テチャン(대창)」が由来とされ、主に関西地方で使われることが多い呼び名です。
基本的には同じ部位を指していると考えてよいでしょう。
臭みの原因と正しい下処理手順
シマチョウを家庭で調理する際に最も気になるのが、特有の臭みです。
この臭みの主な原因は、腸内に残ったわずかな汚れや、脂そのものが持つ匂いです。
しかし、正しい手順で下処理を行えば、この臭みは劇的に軽減できます。
基本的な手順は以下の3ステップです。
- 洗浄(揉み洗い): 塩や小麦粉を使ってシマチョウを強く揉み込み、ぬめりや汚れを吸着させます。
- すすぎ: 流水で塩や小麦粉を徹底的に洗い流します。
- 湯通し(茹でこぼし): 沸騰したお湯で短時間茹でることで、余分な脂やアクを取り除きます。
この手順を踏むことで、焼肉にした際の味わいが格段に向上します。
次の見出しから、各工程をさらに詳しく解説していきます。
シマチョウの洗い方と水抜きのコツ
下処理の第一歩は、徹底的な洗浄です。
ここで臭みの元となる汚れをしっかり落としましょう。
塩を使った揉み洗い
ボウルにシマチョウを入れ、粗塩をたっぷりと振りかけます。
手で強く揉み込むことで、塩の粒子が汚れをかき出し、浸透圧で余分な水分と臭みを外に出す効果が期待できます。
黒っぽい汚れが出てきたら、一度水で洗い流します。
小麦粉を使った揉み洗い
塩の代わりに小麦粉を使う方法も非常に効果的です。
小麦粉には臭みを吸着する性質があります。
シマチョウに小麦粉をまぶし、粘り気が出るまでしっかりと揉み込みます。
小麦粉が汚れや臭みを抱き込んだら、流水で小麦粉が完全になくなるまで丁寧にすすぎます。
すすぎのコツ
揉み洗いの後は、流水で念入りにすすぐことが重要です。
ヒダの間に汚れや小麦粉が残りやすいため、指で広げながらしっかりと洗い流してください。
ここで手を抜くと、粉っぽさが残ったり、臭みが戻ったりする原因になります。
塩・酢・牛乳を使う臭み取り方法
揉み洗いとすすぎが終わったら、さらに臭みを取り除くための「つけ置き」を行います。
代表的な3つの方法を紹介します。
どれか1つを行えば十分です。
特に臭いが気になる場合や、より丁寧に下処理をしたい場合におすすめします。
塩水でのつけ置き
濃いめの塩水にシマチョウを30分ほどつけておきます。
これにより、さらに臭みが抜けやすくなります。
酢水でのつけ置き
水に少量のお酢を加えたものにつけ置きます。
酢の酸が臭みの成分を中和し、同時に肉質を柔らかくする効果も期待できます。
牛乳でのつけ置き
牛乳に含まれるたんぱく質(カゼイン)が、臭み成分を吸着してくれます。
ボウルにシマチョウとひたひたになるくらいの牛乳を入れ、30分ほど置いた後、再度水で洗い流します。
注意点
牛乳やお酢を使った場合は、その匂いがシマチョウに残らないよう、最後にもう一度しっかりと流水ですすいでください。
家庭で簡単にできる下ごしらえ術
洗浄とつけ置きが終わったら、仕上げに「湯通し(茹でこぼし)」を行います。
これは家庭で臭みと余分な脂を処理する上で最も重要な工程の一つです。
大きな鍋にたっぷりの湯を沸騰させます。
そこに下処理したシマチョウを入れ、数分間(お好みで調整)茹でます。
茹でることで、アクや臭み、そして余分な脂がお湯に溶け出します。
茹で上がったらザルにあげ、流水で再度洗い、表面についたアクや汚れをしっかりと落とします。
茹で時間の調整
脂をしっかり残したい場合は、湯通しを「サッとくぐらせる程度」にしてください。
逆に、脂を減らしてさっぱり食べたい場合は、1分以上茹でることもあります。
ただし、長時間茹ですぎるとシマチョウが硬くなり、旨味も逃げてしまうため注意が必要です。
茹でた後は、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭き取って下ごしらえ完了です。
下処理後の保存と冷凍のポイント
下処理済みのシマチョウは、すぐに使わない場合、適切に保存する必要があります。
冷蔵保存の場合
下処理で水気をしっかり拭き取った後、キッチンペーパーで包み、さらにラップをするか密閉容器に入れます。
冷蔵庫で保存し、1〜2日中には使い切るようにしてください。
ホルモンは傷みやすいため、早めの調理が推奨されます。
冷凍保存の場合
長期間保存したい場合は冷凍が適しています。
1回に使う分量ごとに小分けにし、空気が入らないようにラップでぴったりと包みます。
その後、冷凍用の保存袋(ジップロックなど)に入れて冷凍庫で保存します。
冷凍保存のメリットと解凍方法
適切に冷凍すれば、約1ヶ月程度は美味しく保存が可能とされています。
解凍する際は、冷蔵庫に移してゆっくりと自然解凍するのがおすすめです。
電子レンジでの急速解凍は、旨味が逃げたり、加熱ムラができたりする原因になるため避けた方が良いでしょう。
焼肉用シマチョウの選び方
美味しい焼肉にするためには、素材選びも重要です。
スーパーや精肉店でシマチョウを選ぶ際のポイントを解説します。
最近は下処理済みのものも多く売られていますが、未処理のものを自分で処理する方がコストパフォーマンスが良い場合もあります。
色の確認
新鮮なシマチョウは、きれいなピンク色や乳白色をしています。
時間が経つとくすんだ色や茶色っぽい色に変色してくるため、鮮やかな色のものを選びましょう。
脂の状態
脂は、白く透明感があり、プリッとした弾力があるものが新鮮です。
黄色がかっていたり、ドロッと溶けているものは鮮度が落ちている可能性があります。
匂いの確認
パック詰めの場合は難しいですが、もし可能であれば匂いを確認します。
ツンとしたアンモニア臭や酸っぱい匂いがするものは避けましょう。
シマチョウ下処理後の美味しい焼肉の焼き方

- フライパンで焼くコツ
- 炭火焼で外カリ中トロに仕上げる
- シマチョウと相性の良いタレ
- おすすめのシマチョウ部位と食べ方
フライパンで焼くコツ
家庭で手軽に焼肉を楽しむなら、フライパンが便利です。
シマチョウは脂が非常に多いため、油を引く必要は全くありません。
まず、フライパンを中火〜強火でしっかりと熱します。
シマチョウは、皮目(脂がついていないツルツルした面)から焼き始めます。
皮目にこんがりとした焼き色がついたら、ひっくり返して脂身の面を焼きます。
脂身を焼き始めると、大量の脂が溶け出してきます。
この脂をそのままにしておくと、シマチョウが「焼く」のではなく「揚げた」状態になってしまい、食感が悪くなります。
脂の処理方法
フライパンに溜まった脂は、キッチンペーパーでこまめに拭き取るか、フライパンを傾けて脂を片側に寄せ、スプーンなどですくい出してください。
これを繰り返すことで、表面がカリッと仕上がります。
炭火焼で外カリ中トロに仕上げる
焼肉店やバーベキューでの炭火焼は、シマチョウを最も美味しく食べる方法の一つです。
遠赤外線効果で、外側はカリッと、中はトロリとした脂の旨味を最大限に引き出せます。
ここでも焼き方が重要です。
まず、皮目から網に乗せ、香ばしい焼き色をつけます。
その後、脂身の面を焼きますが、ここで注意が必要です。
炎上(ファイヤー)に注意
シマチョウの脂が炭火に落ちると、激しく炎が上がります。
これは焼肉の醍醐味(だいごみ)でもありますが、炎が上がりすぎるとシマチョウが焦げてしまい、苦味が出てしまいます。
炎が上がったら、シマチョウを網の端(火が弱い場所)に避難させたり、氷を網に置いて一時的に火を鎮めたりする工夫が必要です。
脂が適度に落ち、炎で軽く炙られた状態がベストです。
シマチョウと相性の良いタレ
下処理をしっかり行ったシマチョウは、様々なタレと相性抜群です。
脂の旨味に負けない、しっかりとした味付けが好まれます。
味噌ダレ
最も定番で相性が良いとされるのが味噌ダレです。
味噌のコクとニンニク、ごま油の風味が、シマチョウの濃厚な脂の甘みを引き立てます。
やや甘辛い味付けが食欲をそそります。
醤油ダレ
キレのある醤油ダレも人気です。
醤油の香ばしさが、焼いたシマチョウの風味とマッチします。
大根おろしやポン酢と合わせて、さっぱりと食べるのもおすすめです。
塩ダレ
下処理に自信があり、素材の味をストレートに楽しみたい場合は、シンプルな塩ダレ(ごま油と塩、ニンニクなど)が良いでしょう。
レモンを絞って食べると、濃厚な脂が中和されて食べやすくなります。
タレに漬け込むタイミング
下処理が終わったシマチョウを、焼く直前にタレと和えるのが一般的です。
長時間漬け込むと、タレの塩分でシマチョウから水分が抜け、硬くなってしまうことがあるためです。
おすすめのシマチョウ部位と食べ方
「シマチョウ」は牛の大腸を指しますが、ホルモンには他にも魅力的な部位がたくさんあります。
また、焼肉以外の食べ方も人気です。
シマチョウ以外の人気ホルモン
| 部位 | 特徴 |
|---|---|
| マルチョウ(小腸) | シマチョウよりも脂が多く、よりプリプリとした食感。コプチャンとも呼ばれます。 |
| ミノ(第一胃) | 肉厚で、コリコリとした非常に歯ごたえのある食感が特徴です。 |
| ハツ(心臓) | 脂が少なく、サクサクとした歯切れの良い食感。クセが少なく食べやすい部位です。 |
焼肉以外の食べ方
下処理したシマチョウは、もつ鍋やもつ煮込みにも最適です。
長時間煮込むことで、シマチョウが柔らかくなり、脂の旨味がスープ全体に溶け出します。
焼肉とは違った、トロトロの食感を楽しむことができます。
シマチョウ下処理のコツと焼肉の焼き方・保存のポイントを総括
この記事では、家庭で美味しいシマチョウ焼肉を楽しむための下処理方法から焼き方までを紹介しました。
この記事のポイントをまとめます。
- シマチョウは牛の大腸で脂の甘みと食感が人気
- 臭みの原因は汚れと脂そのものの匂い
- 下処理の基本は「洗浄」と「湯通し」
- 洗浄には塩や小麦粉を使った揉み洗いが効果的
- 小麦粉は臭みを吸着する性質がある
- 揉み洗い後は流水で徹底的にすすぐ
- 臭みが強ければ酢や牛乳でのつけ置きも有効
- 仕上げは沸騰したお湯での湯通し(茹でこぼし)
- 湯通しで余分な脂とアクを落とす
- 下処理後は冷蔵で1〜2日、冷凍で約1ヶ月保存可能
- 焼肉用シマチョウはピンク色で脂が白いものを選ぶ
- フライパンでは皮目から焼き、脂をこまめに拭き取る
- 炭火焼は炎が上がりすぎないよう注意する
- タレは脂に負けない味噌ダレや醤油ダレが定番
- 焼肉以外にももつ鍋や煮込みにも活用できる
丁寧な下処理が、ご家庭でのシマチョウ焼肉を格別なものにします。
ぜひ挑戦してみてください。

