こんにちは。下ごしらえ.com 運営者の「ゆたりん」です。
あの巨大な骨付き肉、トマホークステーキを自宅やバーベキューで豪快に焼いてみたいと思ったことはありませんか。
でも、厚みがあるぶん中まで火を通すのが難しそうで、生焼けになったり焦げてしまったりしないか不安になりますよね。
実は、フライパンやオーブンを使った適切な焼き方や、芯温計で中心温度を管理するコツさえ掴めば、誰でもレストラン級の仕上がりにできるんです。
冷凍のお肉を美味しく食べるための解凍方法や、塩胡椒をするタイミングといった基本の下ごしらえから、炭火焼きでのポイントまで、失敗しない手順を一緒に見ていきましょう。
- トマホークステーキを美味しく焼くための適切な解凍と常温戻しの手順
- フライパンとオーブンを組み合わせた失敗しない焼き方の基本フロー
- 肉汁を逃さないためのアルミホイルを使った休ませ方(レスティング)
- 骨付き肉をきれいに切り分ける方法とおすすめのソースアレンジ
失敗しないトマホークステーキの焼き方と手順

トマホークステーキは見た目のインパクトが凄いですが、その分厚さゆえに調理の難易度が高く感じられます。
しかし、正しい手順を踏めば決して難しくありません。
ここでは、準備段階から焼き上がりまでの基本ステップを紹介します。
美味しい焼き方は解凍の下ごしらえから
冷凍のトマホークステーキを購入した場合、最も重要なのは「いかにドリップ(肉汁)を出さずに解凍するか」です。
早く焼きたいからといって電子レンジで解凍したり、常温で放置したりするのは絶対にNGです。
急激な温度変化は肉の細胞を破壊し、旨味成分であるドリップが大量に流出してしまいます。
基本は「冷蔵庫でのゆっくり解凍」です。
お肉の大きさにもよりますが、トマホーク級のサイズになると、中心まで完全に解凍されるのに丸1日(24時間)以上かかることも珍しくありません。
調理する前日から冷蔵庫に移し、時間をかけて解凍しましょう。
指で押してみて、芯まで柔らかくなっていることを確認するのがスタートラインです。
この「待つ時間」も美味しいステーキのための大切な下ごしらえの一つですよ。
解凍中にパッケージが破損して冷蔵庫内が汚れるのを防ぐため、バットやお皿に乗せて解凍することをおすすめします。
常温に戻すことが成功への重要な鍵

冷蔵庫から出したばかりの冷たいお肉をいきなり焼くのは、ステーキ調理における最大の失敗原因と言っても過言ではありません。
肉の表面と中心部の温度差がありすぎると、表面は焦げているのに中は冷たいままという「生焼け」の状態になってしまいます。
焼く前には必ず肉を冷蔵庫から出し、夏場なら30分、冬場なら1時間程度を目安に常温に戻しておきましょう。
特にトマホークのような厚切り肉の場合、中心部の温度が上がるまでには時間がかかります。
室温に戻すことで火の通りが均一になり、理想的なミディアムレアに仕上げやすくなります。
待っている間に他の付け合わせを準備するなどして、焦らずじっくりと肉の温度を上げてください。
塩胡椒やスパイスで下味をつけるコツ

下味のタイミングも議論になりやすいポイントですが、基本的には「焼く直前」がベストです。
塩には浸透圧の作用があり、肉の水分を外に引き出す性質があります。
あまり早くから塩を振っておくと、焼く前に肉の表面に水分が浮き出てしまい、せっかくの旨味が逃げるだけでなく、焼いたときにきれいな焼き色がつきにくくなってしまいます。
フライパンを熱し始めるタイミングで、肉の両面に強めの塩胡椒を振りましょう。
トマホークステーキは肉厚なので、「ちょっと振りすぎかな?」と思うくらいしっかりと塩を振るのがポイントです。
表面にしっかり味がつくことで、噛んだ時に肉の旨味と塩味がバランスよく口の中に広がります。
お好みでガーリックパウダーやローズマリーなどを合わせるのもおすすめです。
フライパンとオーブンを使う基本の調理法

家庭でトマホークステーキを焼くなら、フライパンとオーブン(またはトースター)の二刀流が最も失敗が少ない方法です。
まず、フライパンを強火で熱し、牛脂やオリーブオイルを馴染ませます。
肉を入れたら、表面、裏面、そして脂身の側面を強火でしっかりと焼き固めます(リバースシア)。
ここでの目的は中まで火を通すことではなく、メイラード反応による香ばしい「焼き目」をつけることです。
両面にこんがりと焼き色がついたら、160度〜180度に予熱したオーブンに入れます。
低温でじっくりと熱を入れることで、肉質が硬くなるのを防ぎつつ、中心まで均一に火を通すことができます。
焼き時間の目安は肉の厚さによりますが、まずは10分〜15分程度加熱し、様子を見ながら調整してください。
バーベキューでの炭火焼きのポイント

アウトドアで炭火を使って焼く場合も、基本の考え方はフライパン+オーブンと同じです。
炭火で重要なのは「強火ゾーン」と「弱火ゾーン」を作ることです。
炭を片側に寄せて、火力の強い場所と弱い場所を用意しましょう。
まずは強火ゾーンで表面を一気に焼き上げ、炭の香ばしい風味を肉に移します。
表面がカリッと焼けたら、炭の置いていない弱火ゾーン(間接焼きエリア)に肉を移動させ、蓋をしてじっくりと熱を通します。
蓋がない場合はアルミホイルを被せることで簡易的なオーブン効果が得られます。
炭火の遠赤外線効果で、中はしっとりとジューシーに仕上がりますよ。
中心温度を確認して焼き加減を調整する

「焼き上がりのタイミングが分からない」という悩みは、調理用温度計(芯温計)を使えば一発で解決します。
プロのシェフも指の感覚だけでなく、温度計を使って正確に管理することが多いです。
トマホークステーキのような厚切り肉の場合、見た目だけで判断するのは非常に危険です。
目指すべき中心温度の目安は以下の通りです。
・レア:50度前後
・ミディアムレア:54度〜57度
・ミディアム:60度前後
温度計を肉の最も厚い部分の中心に差し込んで計測します。
余熱で温度が少し上がることを考慮し、目標温度の2〜3度手前で加熱を止めるのがコツです。
温度計がない場合は、金串を中心に数秒刺してから下唇に当ててみて、「温かい」と感じればミディアムレア、「熱い」と感じればミディアム程度の目安になります。
プロが教えるトマホークステーキの焼き方

基本の焼き方をマスターしたら、次は仕上がりをワンランクアップさせるためのテクニックや、美味しく食べるためのアイデアをご紹介します。
アルミホイルで休ませて肉汁を閉じ込める
焼き上がったお肉をすぐにナイフで切っていませんか?
実はこれ、一番もったいない食べ方なんです。
加熱直後の肉の内部では、肉汁が沸騰して激しく動いています。
この状態で切ると、旨味を含んだ肉汁がまな板の上に溢れ出し、お肉自体はパサパサになってしまいます。
焼き上がったらアルミホイルで肉全体を包み、暖かい場所で5分〜10分ほど休ませてください(レスティング)。
この「休ませる時間」の間に、中心部に集まっていた肉汁が全体に行き渡り、肉の繊維が落ち着きます。
結果として、切った時の断面が美しいピンク色になり、食べた時に口いっぱいに肉汁が広がるジューシーなステーキになります。
冬場など室温が低い時は、アルミホイルの上からさらにタオルなどを被せて保温すると、冷めるのを防ぎながら休ませることができます。
骨付き肉を綺麗にカットする方法

トマホークステーキの醍醐味である大きな骨。
切り分ける際は、まずこの骨と肉を切り離すところから始めます。
骨に沿ってナイフを入れ、大きくカーブを描くようにして骨を外します。
骨を外した後の塊肉(リブアイ部分)は、繊維に対して垂直にナイフを入れることで、柔らかい食感を楽しめます。
厚さは1.5cm〜2cm程度にスライスするのが食べ応えがあっておすすめです。
もちろん、骨の周りについているお肉(リブフィンガー)も旨味が凝縮されていて絶品です。
こちらは少し筋がある場合があるので、小さめにカットして、豪快にかぶりつくのも楽しいですね。
ステーキソースやわさび醤油のアレンジ

シンプルに塩と胡椒だけで食べるのも肉の旨味をダイレクトに感じられて最高ですが、味変を楽しむのもステーキの醍醐味です。
トマホークステーキは脂の旨味が強いリブアイ部位が中心なので、さっぱりとした和風ソースとの相性が抜群です。
特におすすめなのが「わさび醤油」や「柚子胡椒」です。
わさびの辛味が脂の甘みを引き立て、最後まで飽きずに食べられます。
また、肉汁が残ったフライパンに赤ワイン、醤油、バター、少しのハチミツを加えて煮詰めた「特製グレイビーソース」も絶品です。
市販のステーキソースに頼らず、自分好みの味を見つけてみるのも楽しいですよ。
コストコなどの通販肉を焼く際の注意点

トマホークステーキはスーパーではなかなか手に入らないため、コストコやネット通販で購入される方も多いと思います。
こうしたお肉は、海外産(アメリカ産やオーストラリア産)が多く、国産牛に比べて赤身がしっかりしているのが特徴です。
赤身肉は火を通しすぎると硬くなりやすいため、焼き加減は「ミディアムレア」を狙うのが鉄則です。
また、通販の冷凍肉はドリップが出やすい場合があるので、解凍時のケア(キッチンペーパーでこまめに水分を拭き取るなど)をより丁寧に行うことが大切です。
サイズが家庭用のフライパンに入りきらないこともあるので、事前に骨の長さを確認し、必要であれば調理前に骨の一部をノコギリ等でカットする準備もしておきましょう。
付け合わせの野菜で彩りをプラス

茶色くなりがちなステーキプレートには、彩り豊かな付け合わせ(ガルニチュール)が欠かせません。
肉を焼いている横や、オーブンの空いたスペースで野菜も一緒に調理してしまいましょう。
定番はジャガイモ、ニンジン、ブロッコリーですが、トマホークの脂で焼くアスパラガスやマッシュルームは格別の美味しさです。
皮付きのままのニンニクを丸ごと焼いて、ホクホクの中身を肉に塗りながら食べるのも最高です。
クレソンやルッコラなどの苦味のある葉野菜を添えると、見た目が華やかになるだけでなく、脂っぽくなった口の中をリフレッシュさせてくれる効果もあります。
自宅でトマホークステーキの焼き方を極めよう
トマホークステーキは、ただ焼くだけの料理に見えて、実は「温度管理」という科学的なアプローチが求められる奥深い料理です。
しかし、今回ご紹介した
「常温に戻す」
「表面を焼いてからじっくり火を通す」
「しっかり休ませる」
という基本さえ守れば、家庭でも驚くほど美味しく焼くことができます。
特別な日のディナーや、仲間と集まるバーベキューで、この迫力満点のお肉を振る舞ってみてください。
「すごい!」「美味しい!」という歓声が上がること間違いなしです。
ぜひ、自分だけの最高の焼き加減を見つけて、トマホークステーキを楽しんでくださいね。
※この記事の内容は一般的な調理法に基づくものです。
お肉の厚さや調理器具によって加熱時間は異なりますので、中心温度を確認しながら調整してください。
