こんにちは。下ごしらえ.com 運営者の「ゆたりん」です。
ラムチョップって、見た目も豪華で食卓にあるとテンションが上がりますよね。
でも、「冷凍のラムチョップを買ったけど、どう扱っていいか分からない」「独特の臭みがあったらどうしよう…」と、調理をためらってしまう方もいるかもしれません。
お肉を柔らかく仕上げるための漬け込み方法や、塩麹やハーブを使うタイミングなど、疑問は尽きないかも。
この記事では、そんなラムチョップの下ごしらえに関するお悩みをスッキリ解決するための、基本的なステップから応用テクニックまでを、ゆたりんなりに分かりやすくまとめてみました。
この手順さえ押さえれば、おうちでもレストランみたいな美味しいラムチョップが楽しめるようになりますよ。
- 冷凍ラムチョップの正しい解凍方法とドリップ処理の重要性
- ラム特有の臭みの原因と、それを取り除く物理的な下処理
- お肉を劇的に柔らかくする様々な漬け込み(マリネ)テクニック
- 仕上がりを左右する塩を振るベストなタイミング
失敗しないラムチョップ下ごしらえの基本

まずは、ラムチョップを美味しく仕上げるために「絶対に外せない」基本のステップを見ていきましょう。
特に「解凍」と「臭みの元を取り除く処理」は、仕上がりに直結する大事なポイントです。
ここをしっかり押さえるだけで、ラムチョップ調理の成功率がぐっと上がりますよ。
冷凍ラムチョップの正しい解凍方法
冷凍ラムチョップを美味しく食べるための最初の関門、それが「解凍」です。
ここで焦ってしまうと、せっかくの旨味成分が「ドリップ」として流れ出てしまいます。
このドリップは血液ではなく、アミノ酸やタンパク質といった旨味そのもの。
これが失われると、お肉が水っぽくなったり、パサついたりする原因になります。
ゆたりんのおすすめは、なんといっても「冷蔵庫での低温解凍」です。
時間はかかりますが(半日~1日くらいが目安かな)、これが一番ドリップの流出を最小限に抑えられます。
調理する前日から冷蔵庫に移しておくだけなので、手間もかかりません。
もし「そんなに待てない!」という場合は、ジップロックなどでしっかり密閉して、氷水に沈める「氷水解凍」が次善策です。
水は空気より熱伝導がいいので、冷蔵庫よりずっと早く(1~3時間くらい)解凍できますよ。
NGな解凍方法に注意!
ゆたりんが絶対におすすめしないのが、常温解凍や電子レンジでの解凍です。
常温は食中毒のリスクがありますし、電子レンジは加熱ムラがひどく、一部だけ火が通ってしまい、旨味が大量に流れ出てしまいます。
急いでいても、この2つだけは避けるのが賢明かなと思います。
ドリップを拭き取る重要な理由
無事に解凍できたら、次のステップです。
解凍後のラムチョップの表面には、どうしても多少のドリップや水分が付着しています。
これをキッチンペーパーで徹底的に拭き取ること。
これが、実はめちゃくちゃ重要なんです。
理由は大きく2つあります。
- 臭みの防止 ドリップは栄養たっぷりなので、そのままにしておくと雑菌が繁殖しやすく、臭みの発生源になります。
- 美味しい焼き色(メイラード反応)のため お肉の香ばしい焼き色は、フライパンの高温で「メイラード反応」が起こることで生まれます。
でも、表面に水分が残っていると、フライパンの熱がその水分を蒸発させることに使われてしまい、表面温度がなかなか上がりません。
結果、「焼く」のではなく「蒸し煮」のような状態になり、べちゃっとした仕上がりになってしまいます。
「カリッと香ばしく、中はジューシー」を実現するために、焼く直前に表面の水分をしっかり押さえる。
このひと手間を、ぜひ習慣にしてみてくださいね。
臭みの原因は余分な脂身にあり
「ラム肉=臭い」というイメージ、ありますよね。
ゆたりんも昔はそう思っていました。
でも、実はあの独特の香りの主な原因は、赤身ではなく「脂身」にあることが多いんです。
特に、酸化しやすい白い脂肪分や、赤身と脂身の間にある厚い脂の層は、臭みが強く出やすい部分。下ごしらえの段階で、この余分な脂身を包丁で丁寧に取り除いてあげる(トリミングする、と言います)だけで、ラム特有のクセがかなり和らぎますよ。
とはいえ、この脂身はラム肉特有の「旨味」や「香り」の源でもあります。
「あのラムの香りが好き!」という方は、あえて脂身を多めに残すのもアリです。
どのくらい取り除くかは、お好みで調整してみてください。
ラム初心者さんや、上品な味わいに仕上げたい場合は、目立つ白い脂はしっかりカットしておくのがおすすめです。(参照:東京ガス 暮らし情報メディア ウチコト)
筋切りで焼き縮みを防ぐ方法
ステーキ肉でもそうですが、ラムチョップも焼くとお肉が反り返ってしまうことがありますよね。
これは、赤身と脂身の間にある「白い筋(スジ)」が、加熱によって強く縮むのが原因です。
お肉が反り返ってしまうと、フライパンに当たる部分と浮いてしまう部分ができて、焼きムラができてしまいます。
これを防ぐのが「筋切り」です。
やり方は簡単で、赤身と脂身の境目にある白い筋に対して、包丁の先でプスプスと数カ所、切り込みを入れるだけ。
だいたい1~2cm間隔で筋繊維を断ち切ってあげるイメージです。
この簡単な下ごしらえひとつで、焼いたときの形状が安定し、均一に火を通しやすくなります。
レストランで出てくるような、平らでキレイな焼き上がりのラムチョップを目指すなら、ぜひ試してみてください。
塩を振るベストなタイミングとは
下ごしらえの最後は「塩」です。
でも、塩を振るタイミングって、意外と悩みませんか?「早すぎると水分が出ちゃう」って聞きますよね。
その通りで、塩を振ると浸透圧の作用で、お肉の内部から水分(旨味を含んだドリップ)が表面に引き出されてしまいます。
この水分が浮き出たタイミングで焼き始めると、さっきのドリップの話と同じで、メイラード反応が阻害されて「蒸し煮」状態になってしまいます。
ベストな塩のタイミング
ゆたりんが推奨するタイミングは、ズバリ「焼く直前」です。
塩を振って、ドリップが本格的に染み出す前に(だいたい10分くらいかかります)焼き始めてしまうのが、一番安全で失敗がありません。
ちなみに、最悪のタイミングは「焼く10分前に塩を振る」こと。
これは、ドリップが表面に一番浮き出ている状態で焼き始めることになるので、避けてくださいね。
もし、オイルやハーブでマリネ(漬け込み)する場合は、話が別です。
オイルが肉の表面をコーティングしてくれるので、塩による急激な水分流出が緩和されます。
その場合は、マリネ液に一緒に塩を混ぜて、30分ほど前に振っておいても大丈夫ですよ。
絶品ラムチョップ下ごしらえの応用技

基本の下ごしらえをマスターしたら、次は「臭み消し」と「軟化」をさらに追求する応用テクニックです。
ヨーグルトやフルーツ、日本の発酵調味料まで、様々なマリネ(漬け込み)方法をご紹介します。
目的に合わせて使い分ければ、ラムチョップがもっと美味しくなりますよ!
ヨーグルトでの漬け込みと注意点
ラムチョップの臭み消しと軟化で、一番ポピュラーで効果的なのが「ヨーグルト」を使ったマリネかなと思います。
ヨーグルトに含まれる酵素(プロテアーゼ)が、お肉のタンパク繊維を分解して、肉質を柔らかくしてくれるんです。
さらに、ヨーグルトの酸味や風味がラム特有の臭みを中和したり、吸着してくれたりする効果も期待できます。
ニンニクやクミンなどのスパイスと混ぜて使うと、さらに本格的な味わいになりますよ。
方法は、無糖ヨーグルトをラムチョップに揉み込んで、冷蔵庫で1時間~一晩ほど漬け込むだけ。
牛乳でも同様に臭み消しの効果がありますが、ヨーグルトの方が軟化作用も強いイメージです。
【最重要】ヨーグルトは必ず洗い流す!
ここで一番大事な注意点です。
ヨーグルトや牛乳でマリネした場合、調理の直前に必ず水でキレイに洗い流してください。
なぜなら、マリネ液にはラムから出た臭みが移っているのと、乳製品の固形分はめちゃくちゃ焦げやすいからです。
これを拭き取るだけで済ませてしまうと、焼き色が付く前に表面だけが真っ黒に焦げてしまい、大失敗の原因になります。
必ず洗い流し、そのあとキッチンペーパーで水気を完璧に拭き取ってから焼いてくださいね。
玉ねぎやキウイで肉を柔らかく
「とにかくお肉を柔らかくしたい!」という時に絶大なパワーを発揮するのが、フルーツや野菜に含まれる「酵素」です。
特に有名なのが、キウイ(アクチニジン)やパイナップル(ブロメライン)ですね。
あと、意外と強力なのが「玉ねぎのすりおろし」です。
これらにはタンパク質分解酵素が豊富に含まれていて、お肉の筋繊維を強力に分解してくれます。
やり方は、すりおろした玉ねぎや、潰したキウイなどに漬け込むだけ。
ただし、この方法は効果が強すぎるので、時間に注意が必要です。
警告:酵素マリネは漬け込みすぎ厳禁!
フルーツ酵素の力は本当に強力です。
ゆたりんも一度失敗したことがあるんですが、長時間(1時間とか)漬け込みすぎると、お肉の繊維が分解されすぎて、焼いたときに食感がボソボソになったり、逆にトロトロになりすぎたりします。
漬け込み時間は、長くても15分~20分程度を目安にしてください。
短時間で劇的に柔らかくする、まさに「飛び道具」的なテクニックだと覚えておくと良いかなと思います。
塩麹を使った簡単な軟化テクニック
最近ゆたりんがハマっているのが、日本の伝統的な発酵調味料「塩麹」を使う方法です。
これがラムチョップにもすごく合うんですよ。
塩麹にも、ヨーグルトやフルーツと同じようにタンパク質を分解する酵素(プロテアーゼ)が含まれているので、お肉を柔らかくしてくれます。
それだけじゃなく、塩麹自体が持つ旨味成分(グルタミン酸)がプラスされるので、お肉の味がより深く、ジューシーに仕上がるんです。
使い方はとっても簡単で、ラムチョップの重量の10%くらいの塩麹を揉み込んで、15分~30分ほど置くだけ。
長時間漬け込む必要がないのも嬉しいポイントです。
塩麹はヨーグルトと違って、洗い流さずにそのまま焼けます。
ただし、塩麹も焦げやすいので、焼く前に表面についている麹の粒は、キッチンペーパーで軽く拭き取ってあげると、キレイに焼き上がりますよ。
ハーブや赤ワインで風味をアップ
ラム肉の臭みを「消す」のではなく、より強い「良い香り」で覆い隠す(マスキングする)というアプローチもあります。
これぞ洋食の王道、という感じですね。
ラムと最も相性が良いハーブの代表格は、やっぱり「ローズマリー」です。
タイムなんかも清々しい香りで合いますね。
ニンニクのすりおろしや、セロリの葉っぱなんかも臭み消しに有効です。
ゆたりんのおすすめは、オリーブオイル、すりおろしニンニク、刻んだローズマリー、塩こしょうを混ぜたマリネ液に30分ほど漬け込む方法です。
オイルがハーブの香りを肉に移しつつ、表面をコーティングして水分の蒸発も防いでくれます。
また、「赤ワイン」に漬け込むのも定番です。
アルコールが臭み成分と一緒に揮発してくれるのと、ワインのタンニンがお肉を柔らかくジューシーに仕上げてくれます。
血の臭いが気になる場合にも赤ワインは有効みたいですよ。
マリネ液の正しい洗い流し方
ここまで色々なマリネを紹介してきましたが、調理前の「マリネ液の処理」が、実は仕上がりを大きく左右します。
処理の方法は、マリネの種類によって明確に異なります。
【目的別】マリネ液の処理方法まとめ
- 臭み吸着系(ヨーグルト・牛乳) 必ず「水で洗い流す」。
マリネ液に臭みが移っているので、残しておくとダメです。
洗い流した後は、水気を完璧に拭き取ります。 - 風味付け系(オイル・ハーブ・ワイン) 「洗い流さない」。
これらは風味そのものなので、洗い流したら意味がありません。
ただし、表面の余分なオイルや、ニンニク、ハーブの固形物は、焦げ付きの原因になるのでキッチンペーパーで軽く拭き取ります。 - 酵素系(キウイ・玉ねぎ・塩麹) 基本的には「軽く拭き取る」。
酵素系のマリネ液は、そのままソースに転用することもできます。
ただし、お肉の表面に固形物が残っていると、そこだけが真っ黒に焦げるので、焼く前にある程度拭き取っておくのがキレイに仕上げるコツです。
この使い分けを間違えると、「せっかく漬け込んだのに焦げた…」なんてことになりかねないので、ぜひ覚えておいてくださいね。
ラムチョップ下ごしらえの総まとめ
さて、ラムチョップの下ごしらえについて、基本から応用まで一通りご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
最初は「面倒だな…」と感じるかもしれませんが、ひとつひとつの工程には、ちゃんと「美味しくなる理由」があるんです。
特に、
「①ドリップを出さない低温解凍」
「②ドリップと余分な脂の徹底除去」
「③目的に合わせたマリネ(と、その正しい後処理)」
の3点が、ラムチョップ下ごしらえの大きな柱かなと、ゆたりんは思います。
全部を完璧にやる必要はありません。
まずは「ドリップをしっかり拭き取る」「余分な脂をカットする」という基本の2つから始めてみてください。
それだけでも、いつものラムチョップが格段に美味しくなるはずです。
情報の取り扱いに関するご注意
この記事で紹介した解凍時間やマリネ時間、食材の効果は、あくまで一般的な目安です。
お肉の大きさや状態、使用する食材によって効果は変わってきます。
特に食中毒のリスクに関しては、食材の温度管理に十分ご注意ください。
少しでも不安に感じた場合は、専門家の情報や公式サイトをご確認いただくことをおすすめします。(厚生労働省 家庭での食中毒予防)
このガイドが、あなたのラムチョップ調理の参考になれば幸いです!

