牛すじ串の下ごしらえ決定版!臭みなく柔らかくするコツ

牛すじ串 下ごしらえ お肉の下ごしらえ

おでんや煮込み料理で人気の牛すじ串ですが、「下ごしらえが面倒そう」「臭みがうまく取れない」「硬くなってしまう」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

美味しい牛すじ料理の鍵は、実は下ごしらえにあります。
この記事では、牛すじ串の下ごしらえについて、臭みを完璧に取り除き、お店のように柔らかく仕上げるための具体的な方法を徹底解説します。

下ごしらえなしで調理するとどうなるのかという疑問から、圧力鍋を使った時短テクニック、人気のレシピ、適切な串入れるタイミング、そして便利な保存方法まで、あらゆる情報をお届けします。

これを読めば、あなたも牛すじマスターになれるはずです。

  • 牛すじの臭みを取り除き柔らかくする下ごしらえの基本
  • 圧力鍋を活用した効率的な時短調理テクニック
  • おでんや煮込みなど人気レシピへの応用方法
  • 下処理済み牛すじの正しい冷凍保存の仕方

基本的な牛すじ串の下ごしらえ

牛すじ串 下ごしらえ
  • 牛すじ串は下ごしらえなしで平気?
  • 牛すじ特有の臭みを取る下処理のコツ
  • 牛すじをとろとろに柔らかくする方法
  • 圧力鍋を使った時短下ごしらえ術
  • 下処理後の牛すじの便利な保存方法

牛すじ串は下ごしらえなしで平気?

結論から言うと、生の牛すじ串を下ごしらえなしで調理することはおすすめできません
なぜなら、牛すじには特有の臭みやアク、余分な脂が多く含まれているからです。

もし下処理を省略してしまうと、これらの不要な要素が煮汁に溶け出し、料理全体の風味を損なう原因になります。

また、牛すじは非常に硬い部位であるため、下ごしらえでじっくりと火を通さないと、いくら煮込んでもゴムのような食感が残ってしまいます。

せっかくの料理が台無しになってしまう可能性が高いため、美味しく仕上げるためには下ごしらえというひと手間が不可欠です。

市販品でも注意が必要

スーパーなどで販売されている牛すじ串の中には、すでに下処理が済んでいる便利な商品もあります。

しかし、「生」や「未処理」と記載されている場合は、必ずご家庭での下ごしらえが必要です。
購入時にパッケージの表示をよく確認しましょう。

面倒に感じるかもしれませんが、正しい手順を踏めば誰でも簡単にお店の味を再現できます。

次の項目から、その具体的な方法を見ていきましょう。

牛すじ特有の臭みを取る下処理のコツ

牛すじ串 下ごしらえ

牛すじの美味しさを最大限に引き出すためには、特有の臭みを完全に取り除くことが重要です。
そのための最も効果的な方法が「茹でこぼし」という作業になります。

この工程を丁寧に行うことで、雑味のないクリアな旨味だけを残すことができます。

ステップ1:1回目の茹でこぼし(アクと臭みの除去)

最初の茹でこぼしは、牛すじに含まれる血やアク、強い臭みを一気に取り除くための作業です。

まず、鍋に牛すじ串と、それが完全に浸るくらいのたっぷりの水を入れ、火にかけます。
このとき、水から茹で始めるのがポイントです。

沸騰したお湯に入れると、表面のたんぱく質が急に固まり、内部の臭みが閉じ込められてしまいます。

沸騰してくると、大量のアクが浮き上がってきます。
沸騰後、2〜3分ほど煮たら、ザルにあけて茹で汁を全て捨ててください
そして、流水で牛すじの表面についたアクや汚れを優しく洗い流します。

ステップ2:2回目の本茹で(香味野菜で風味付け)

1回目の茹でこぼしで大方の臭みは取れますが、さらに風味良く仕上げるために2回目の茹で作業を行います。

きれいに洗った鍋に、先ほどの牛すじ串を戻し、再びたっぷりの水を注ぎます。
ここに、臭み消しの効果がある香味野菜を加えます。

臭み消しにおすすめの香味野菜

一般的には、長ネギの青い部分皮付きのままスライスした生姜が使われます。
これらは牛すじの臭みを和らげ、爽やかな香りを加えてくれるため、ぜひ一緒に入れて煮込んでください。

鍋を火にかけ、沸騰したら弱火にして、ここからじっくりと柔らかくなるまで煮込んでいきます。
この段階で出てくるアクは丁寧に取り除きましょう。

牛すじをとろとろに柔らかくする方法

牛すじの魅力である、とろけるような食感を生み出す秘訣は「時間をかけてじっくり煮込むこと」です。
牛すじに多く含まれる硬いコラーゲンは、長時間加熱することで柔らかいゼラチンへと変化します。

下処理の2回目の本茹での工程で、この「じっくり煮込む」作業を行います。
沸騰後に火加減を弱火に落とし、鍋の中がコトコトと静かに煮立つ状態を保ちながら、最低でも1時間半から2時間は煮込み続けてください。

煮込んでいる途中で水分が蒸発し、牛すじが水面から顔を出してしまうと、硬くなる原因になります。時々鍋の様子を確認し、お湯が減っていたら必ず差し湯(できればお湯)をして、常に牛すじが湯に浸っている状態をキープすることが大切です。

時間はかかりますが、ほとんどは火にかけて待つだけです。
このひと手間が、お店で食べるような極上のとろとろ食感を生み出しますので、ぜひ挑戦してみてくださいね!

串を刺してみて、スッと抵抗なく通るようになれば、十分に柔らかくなったサインです。

圧力鍋を使った時短下ごしらえ術

牛すじ串 下ごしらえ

「何時間も煮込むのは大変…」と感じる方には、圧力鍋の使用が非常におすすめです。
圧力鍋を使えば、通常の鍋で2時間かかるような煮込み時間を、20分〜30分程度に大幅に短縮することが可能になります。

ただし、圧力鍋を使う場合でも、臭みやアクを取り除くための最初の茹でこぼしは省略できません
必ず以下の手順で行ってください。

手順

  1. 通常の鍋で1回目の茹でこぼしを行い、牛すじを流水で洗う。
  2. 圧力鍋に、洗った牛すじ、長ネギの青い部分、生姜、そして牛すじが浸るくらいの水を入れる。
  3. 蓋をして火にかけ、圧力がかかったら弱火にして20分〜30分加圧する。
  4. 火を止めて、圧力が自然に下がるまで放置する(自然冷却)。

圧力鍋の注意点

加圧時間は、お使いの圧力鍋の性能や牛すじの量によって変わります。
初めて使用する際は、付属の取扱説明書を確認し、短めの時間から試してみるのが安心です。
急冷すると肉が硬くなることがあるため、時間はかかりますが自然に圧力が抜けるのを待ちましょう。

この方法を使えば、忙しい日でも手軽に牛すじの下ごしらえが完了します。

下処理後の牛すじの便利な保存方法

牛すじ串 下ごしらえ

牛すじは下ごしらえに時間がかかるため、一度にまとめて処理しておき、冷凍保存するのが非常に効率的でおすすめです。

下処理を済ませておけば、使いたいときに解凍するだけですぐに料理に使えるため、日々の調理が格段に楽になります。

冷凍保存の手順

柔らかく茹で上がった牛すじの粗熱が取れたら、1回で使い切れる量ずつ小分けにしてラップで包みます。
それをさらにジッパー付きの保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いてから口を閉じ、冷凍庫で保存してください。

このとき、牛すじを茹でた茹で汁も一緒に冷凍するのが美味しく保存するコツです。
牛すじの旨味が凝縮された茹で汁を少量加えることで、乾燥や冷凍焼けを防ぎ、風味を損なわずに保存できます。
茹で汁は製氷皿などで凍らせておくと、スープなどに使えて便利です。

保存期間と解凍方法

冷凍した牛すじの保存期間の目安は約1ヶ月です。
長期間保存すると品質が落ちてしまうため、早めに使い切るようにしましょう。

解凍する際は、冷蔵庫に移して自然解凍するか、急いでいる場合は流水解凍がおすすめです。
電子レンジでの解凍は、加熱ムラができて硬くなる原因になることがあるため、注意が必要です。

絶品料理を作る牛すじ串の下ごしらえと活用術

牛すじ串 下ごしらえ
  • 定番おでんを美味しくする調理のコツ
  • コク深い牛すじ煮込みの作り方
  • 人気の牛すじ串活用レシピを紹介
  • ベストな串入れるタイミングはいつ?
  • 失敗しない牛すじ串の下ごしらえ総まとめ

定番おでんを美味しくする調理のコツ

牛すじ串 下ごしらえ

下ごしらえを済ませた牛すじ串は、おでんの具材として大活躍します。
牛すじから出る濃厚な旨味が出汁に溶け込み、おでん全体の味を一層奥深いものにしてくれます。

ただし、牛すじの風味は他の具材に比べて個性が強いため、調理の際には少し工夫が必要です。

あっさりとした上品な出汁を楽しみたい場合は、牛すじ串を最初からおでん鍋に入れるのではなく、別の鍋で味付けして煮込んでおくことをおすすめします。
そして、食卓に出す直前におでん鍋に加えることで、出汁のバランスを崩さずに牛すじの美味しさを楽しめます。

一方で、牛すじのコクを活かした濃厚な味わいのおでんにしたい場合は、大根やこんにゃくといった味の染み込みにくい具材と一緒に、調理の初期段階から入れて煮込みましょう。
牛すじの旨味が出汁のベースとなり、他の具材にもその美味しさが染み渡ります。

関西風と関東風

牛すじをおでんに入れるのは主に関西地方のスタイルですが、今や全国的に人気の具材です。
あっさりした昆布出汁がベースの関西風おでんでは、牛すじの旨味が良いアクセントになります。
醤油ベースのしっかりした味付けの関東風おでんでは、牛すじのコクがさらに深みを加えてくれます。

コク深い牛すじ煮込みの作り方

牛すじ串 下ごしらえ

牛すじ料理の王道といえば、やはり「牛すじ煮込み」です。
下処理済みの牛すじを使えば、家庭でも手軽に本格的な一品が完成します。

ここでは、最も基本的な醤油ベースの甘辛い煮込みの作り方を紹介します。

材料

  • 下処理済みの牛すじ串:200g
  • 大根:1/4本
  • こんにゃく:1枚
  • 牛すじの茹で汁(または水):400ml
  • 醤油:大さじ3
  • みりん:大さじ2
  • 酒:大さじ2
  • 砂糖:大さじ1

作り方

  1. 大根は厚めのいちょう切りにし、米のとぎ汁(なければ水)で竹串が通るまで下茹でします。
    こんにゃくは手でちぎるかスプーンで一口大にし、下茹でしてアクを抜きます。
  2. 鍋に調味料と牛すじの茹で汁を入れて火にかけ、煮立ったら牛すじ串、大根、こんにゃくを加えます。
  3. 再び煮立ったら落し蓋をし、弱火で20分〜30分ほど煮込みます。
  4. 一度火を止めて冷まし、味を染み込ませます(時間に余裕があれば半日〜一晩置くとさらに美味しくなります)。
  5. 食べる直前に再度温め、お好みで刻みネギや七味唐辛子を添えて完成です。

味付けのバリエーション

醤油の代わりに味噌(赤味噌や合わせ味噌)を使えば、名古屋名物の「どて煮」風にアレンジすることも可能です。
その際は、砂糖の量を調整してお好みの甘さに仕上げてください。

人気の牛すじ串活用レシピを紹介

牛すじ串 下ごしらえ

下処理済みの牛すじ串は、おでんや煮込み以外にも様々な料理にアレンジ可能です。
その強い旨味は、いつもの料理をワンランク上の味わいへと引き上げてくれます。

ここでは、特におすすめの活用レシピをいくつかご紹介します。

レシピ名特徴とポイント
牛すじカレーいつものカレールーで作るカレーに、下処理した牛すじを加えるだけで、長時間煮込んだような深いコクと旨味がプラスされます。牛すじの茹で汁を水の代わりに使うと、さらに濃厚な味わいになります。
ぼっかけ(牛すじとこんにゃくの甘辛煮)神戸市長田区発祥のB級グルメ。甘辛く煮込んだ牛すじを、うどんに乗せたり(ぼっかけうどん)、お好み焼きや焼きそばの具にしたりします。ご飯との相性も抜群です。
牛すじのネギ塩炒め柔らかく茹でた牛すじをごま油で炒め、刻んだ長ネギ、塩、コショウ、レモン汁で和えれば、絶品のおつまみが完成します。牛すじのぷるぷるとした食感が楽しめます。
牛すじスープ牛すじの茹で汁は、旨味が凝縮された最高のスープベースです。塩や醤油で味を調え、溶き卵や野菜を加えるだけで、栄養満点の美味しいスープが出来上がります。

ベストな串入れるタイミングはいつ?

牛すじ串 下ごしらえ

牛すじを串に刺して調理する場合、そのタイミングは美味しさや調理のしやすさを左右する重要なポイントです。

結論として、串を刺すベストなタイミングは「下処理で柔らかく茹で上げた後、本格的な調理(味付け)に入る前」です。

生の牛すじは非常に硬く、筋も多いため、生の状態で串に刺そうとすると大変な手間がかかります。
また、無理に刺すと肉の繊維を壊してしまい、煮崩れの原因にもなりかねません。

下処理の2回目の本茹で(または圧力鍋での加圧)が完了し、牛すじが十分に柔らかくなった状態で一度取り出します。
粗熱が取れたら、食べやすい大きさにカットし、竹串に刺していきましょう。

市販の串に刺さった牛すじの場合

すでに串に刺さった状態で売られている商品を下処理する場合、串に刺したまま茹でても問題ありません。
ただし、茹でている間にアクが串の隙間に溜まりやすいというデメリットがあります。
より丁寧に下処理をしたい場合は、一度串から抜いて茹で、再度刺し直すのが理想的です。
その際は、元の穴を参考に刺すとスムーズです。

煮込んでいる最中に肉が縮んで串から抜けてしまわないよう、波縫いのように縫うように刺すと、しっかりと固定されて見た目も綺麗に仕上がります。

失敗しない牛すじ串の下ごしらえ総まとめ

この記事で解説した、美味しい牛すじ串を作るためのポイントを最後にまとめます。

  • 生の牛すじ串は下ごしらえなしでの調理は避ける
  • 下ごしらえの目的は臭みとアクを取り除き柔らかくすること
  • 臭み取りには「茹でこぼし」が最も重要
  • 1回目の茹でこぼしは水から茹でてアクごと茹で汁を捨てる
  • 茹でた後は流水で表面のアクをしっかり洗い流す
  • 2回目の本茹ででは長ネギの青い部分や生姜を入れると効果的
  • とろとろ食感にするには弱火で1時間半以上の煮込みが必要
  • 煮込む際は牛すじが常に湯に浸っている状態を保つ
  • 圧力鍋を使えば加圧20分〜30分で大幅な時間短縮が可能
  • 下処理済みの牛すじは小分けにして冷凍保存が便利
  • 冷凍する際は茹で汁も少量加えると乾燥を防げる
  • おでんに入れる際は出汁のバランスを考えて投入タイミングを調整する
  • 牛すじは煮込みやカレー、炒め物など様々なレシピに活用できる
  • 串を刺すタイミングは下処理で柔らかくした後がベスト
  • 串から抜けないように波縫いのように刺すと良い