しいたけ下ごしらえの完全ガイド!保存法から絶品レシピまで

しいたけ 下ごしらえ 野菜の下ごしらえ

しいたけの下ごしらえは、料理の味を大きく左右する重要な工程です。

普段何気なく行っているその手順、実はもっと美味しさを引き出すコツがあるかもしれません。

しいたけは下処理が必要なのか、水で洗うべきか、軸と石づきの違いは何か、生椎茸はそのまま食べても安全なのか、そして適切な保存方法まで、多くの疑問が浮かびます。

この記事では、基本的な知識から、おでんや鍋、bbq、串焼き、天ぷら、さらにはチーズフォンデュやお雑煮といった多彩な料理への活用法まで、しいたけを最大限に楽しむための情報を網羅的に解説します。

正しい下ごしらえをマスターして、いつものしいたけ料理を格上げしましょう。

  • しいたけの風味を損なわない正しい下処理方法がわかる
  • 軸と石づきの違いや、食べられる部分の見分け方が身につく
  • 冷蔵・冷凍それぞれのメリットを活かした保存テクニックが学べる
  • 定番から意外なものまで、しいたけを使ったレシピの幅が広がる

美味しさを引き出すしいたけの下ごしらえ

しいたけ 下ごしらえ
  • なぜ下処理が必要なの?
  • しいたけは水で洗うべき?
  • 軸と石づきの違いと切り分け方
  • 生椎茸はそのまま食べられる?
  • 下ごしらえ後の正しい保存方法

なぜ下処理が必要なの?

しいたけの下処理は、その独特の風味や食感を最大限に活かすために欠かせない工程です。

スーパーなどで販売されているしいたけは、菌床栽培や原木栽培といったクリーンな環境で育てられているため、土や泥などのしつこい汚れが付いていることは稀です。

しかし、栽培過程や流通過程で、おがくずやホコリなどが付着していることがあります。

これらの不要なものを取り除くことで、口当たりが良くなり、しいたけ本来の繊細な風味を純粋に楽しむことができます。

また、調理法に合わせて適切に切り分けることも下処理の重要な一部です。

例えば、硬い「石づき」を取り除くことで、食べられない部分を排除し、安全に美味しくいただけます。

このように、下処理はしいたけをより美味しく、そして安心して食べるための大切な準備なのです。

しいたけは水で洗うべき?

しいたけ 下ごしらえ

結論から言うと、しいたけを水でジャブジャブと洗うのは避けるべきです。

なぜなら、しいたけはスポンジのように水分を吸収しやすい性質を持っているからです。

水洗いすると、その水分と一緒に、しいたけが持つ豊かな風味や香りの成分が流れ出てしまいます。

また、水分を過剰に含んだしいたけは、調理時に水っぽくなり、特に焼き物や炒め物では食感が損なわれる原因となります。

では、汚れが気になる場合はどうすればよいのでしょうか。

基本的には、乾いたキッチンペーパーや柔らかい布で、傘の表面や裏側のヒダを優しく拭うだけで十分です。

それでも落ちない汚れがある場合は、キッチンペーパーを軽く湿らせて、叩くようにして汚れを落としましょう。

この一手間が、しいたけの美味しさを守る鍵となります。

風味を損なう水洗いに注意

しいたけの旨味や香りの成分は水溶性のため、水に触れると簡単に失われてしまいます。美味しさを最大限に引き出すためには、水洗いは極力避け、拭き取る方法で汚れを落とすことを心がけてください。

軸と石づきの違いと切り分け方

しいたけ 下ごしらえ

しいたけの傘の下の部分は、よく「軸」や「石づき」と呼ばれますが、この二つは異なる部位を指します。

どこまでが食べられて、どこからを捨てるべきか、正確に理解しておきましょう。

「軸」と「石づき」の見分け方

「軸(じく)」は傘を支えている棒状の部分全体を指し、「石づき(いしづき)」は、その軸の先端にある黒っぽく硬い部分のことです。

石づきは、原木やおがくずに接していた部分で、硬くて食感が悪いため、調理前に切り落とす必要があります。

一方、石づきを取り除いた残りの軸は、旨味と香りが凝縮されており、美味しく食べることができます。

部位 特徴 調理
軸(じく) 傘のすぐ下から石づきまでの部分。コリコリとした食感と豊かな風味が特徴。 食べられる。炒め物、スープ、炊き込みご飯などに最適。
石づき(いしづき) 軸の先端の黒ずんで硬い部分。おがくずなどが付着していることも。 食べられない。切り落として処分する。

切り分け方の手順

  1. しいたけの軸の根元を持ち、包丁で石づき(先端の硬い部分)を5mm~1cmほど切り落とします。
    手で触ってみて、明らかに硬いと感じる部分を目安にしてください。
  2. 次に、傘と軸を切り分けます。
  3. 包丁を傘の付け根に入れ、軸を切り離します。
    手でひねるようにしても簡単に取ることができます。
  4. 残った軸は、料理に合わせて薄切りにしたり、手で細かく裂いたりして活用しましょう。
    傘とは違った食感が楽しめます。

軸も立派な食材

捨てられがちな軸ですが、実は傘よりも香りが強いとも言われています。
細かく刻んでハンバーグのタネに混ぜ込んだり、だしを取るのに使ったりと、活用方法は豊富です。

生椎茸はそのまま食べられる?

しいたけ 下ごしらえ

新鮮な生しいたけは、ついそのまま食べたくなってしまうかもしれませんが、生食は推奨されていません。

加熱せずに食べると、健康に影響を及ぼす可能性があるため、必ず火を通してから食べることが重要です。

しいたけ皮膚炎のリスク

生や加熱が不十分なしいたけを食べると、「しいたけ皮膚炎」と呼ばれるアレルギー症状を引き起こすことがあります。

これは、摂取してから数時間後から数日後に、体に強いかゆみを伴う線状の発疹が現れるというものです。

この皮膚炎の原因となる成分は加熱によって分解されるため、しっかりと火を通すことで予防できると言われています。

必ず中心部まで加熱を

しいたけを安全に美味しく食べるためには、焼く、煮る、炒めるなど、どのような調理法であっても、必ず中心部までしっかりと加熱してください。

特にバーベキューなどで丸焼きにする際は、傘の裏に水分がじっくりと滲み出てくるのが、中まで火が通った目安の一つです。

下ごしらえ後の正しい保存方法

しいたけ 下ごしらえ

しいたけは水分に弱く、傷みやすい食材です。

下ごしらえを済ませた後や、一度に使い切れなかった場合は、適切な方法で保存することで美味しさを長持ちさせることができます。

保存方法は主に「冷蔵」と「冷凍」の2種類です。

冷蔵保存(保存期間:約1週間)

数日以内に使い切る予定であれば、冷蔵保存が適しています。

  1. しいたけの表面の水分をキッチンペーパーで拭き取ります。
  2. 2〜3個ずつキッチンペーパーで包みます。これは、しいたけから出る水分を吸収させ、傷みを防ぐためです。
  3. ポリ袋やジッパー付き保存袋に入れ、口を軽く閉じて冷蔵庫の野菜室で保存します。
    このとき、ヒダを上に(軸が上になるように)して置くと、胞子が落ちて黒ずむのを防げます。

冷凍保存(保存期間:約1ヶ月)

長期間保存したい場合や、すぐに使う予定がない場合は冷凍保存がおすすめです。
実は、しいたけは冷凍することで、細胞壁が壊れ、旨味成分であるグアニル酸が増加すると言われています。

冷凍で旨味アップ!

しいたけを冷凍すると、調理時に旨味成分が出やすくなり、より美味しくなります。

また、調理時は解凍せず、凍ったまま使うのがポイント。

解凍すると水分と一緒に旨味も流れ出てしまうので注意しましょう。

  1. 石づきを切り落とし、傘と軸に分けます。
  2. 丸ごとのままでも、使いやすいように薄切りや角切りにカットしても構いません。
  3. 冷凍用保存袋に平らになるように入れ、空気をしっかり抜いてから冷凍庫で保存します。

冷凍する前にカットしておくと、使いたい時に凍ったままサッと料理に加えられるので、とても便利ですよ。

きのこミックスを作っておくのもおすすめです!

しいたけの下ごしらえを活かす人気レシピ

しいたけ 下ごしらえ
  • 鍋やおでんなどの煮込み料理に
  • 出汁が香るお雑煮の作り方
  • BBQや串焼きで豪快に楽しむ
  • サクサクに揚げる天ぷらのコツ
  • チーズフォンデュの意外な具材に

鍋やおでんなどの煮込み料理に

しいたけは、鍋物やおでんといった煮込み料理に欠かせない名脇役です。

その理由は、しいたけ自身が美味しい具材であると同時に、理全体に深い旨味と香りを加えてくれるからです。

鍋やおでんに使う際は、傘の部分に十字の飾り切りを入れるのがおすすめです。

これは「花切り」とも呼ばれ、見た目が華やかになるだけでなく、火の通りが均一になり、味が染み込みやすくなるというメリットもあります。

切り込みは深すぎず、傘の厚みの半分程度まで入れるのがコツです。

切り分けた軸も、捨てずにぜひ一緒に煮込みましょう。

軸からも美味しいだしが出るため、スープの味わいが一層豊かになります。

他の具材と一緒にじっくり煮込むことで、しいたけはつゆをたっぷりと吸い込み、噛むほどに旨味がじゅわっと口の中に広がります。

出汁が香るお雑煮の作り方

しいたけ 下ごしらえ

お正月の定番料理であるお雑煮にも、しいたけは欠かせません。

しいたけから出る上品な出汁は、鶏肉や昆布の出汁と合わさることで、お雑煮の汁に複雑で豊かな深みを与えてくれます。

お雑煮にしいたけを使う場合、生しいたけをそのまま使う方法と、干ししいたけを戻して使う方法があります。

生しいたけを使う場合は、薄切りにしたものを他の具材と一緒に煮込むだけで、フレッシュな香りが楽しめます。

一方、干ししいたけを使うと、より濃厚な旨味成分であるグアニル酸が汁に溶け出し、本格的な味わいに仕上がります。


前日の残り汁を活用するアイデアも


醤油ベースの味噌汁や煮物の残り汁にしいたけを加えて、翌朝お雑煮風にアレンジするという手軽な方法もあります。

しいたけの旨味が加わることで、残り物が立派な一品に変わります。

どちらを使うにしても、しいたけの存在がお雑煮全体の味を引き締め、格調高い一杯にしてくれることは間違いありません。

BBQや串焼きで豪快に楽しむ

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しいたけは、炭火で焼くことでその真価を発揮します。

バーベキューや串焼きでは、シンプルながらも素材の味をダイレクトに楽しめる調理法が人気です。

バーベキューでしいたけを焼く際のポイントは、傘の裏側のヒダを上にして網に乗せること。

こうすることで、加熱されるうちに出てくる旨味エキスが傘の中に溜まり、逃さずに味わうことができます。

焼き加減は、傘の中にじんわりと水分が浮き出てきたら食べ頃のサイン。
醤油やバターを少し垂らして、アツアツをいただきましょう。

串焼きにする場合は、しいたけと長ネギなどを交互に刺すと、彩りも良く、味のバランスも取れます。

ここでも、しいたけはあまり小さく切らず、大きめにカットするのがおすすめです。
肉厚なしいたけを炭火でじっくり焼けば、外は香ばしく、中はプリプリでジューシーな食感が楽しめます。

サクサクに揚げる天ぷらのコツ

しいたけの天ぷらは、多くの人に愛される定番の一品です。

衣のサクサク感と、加熱されて旨味が凝縮されたしいたけのジューシーさのコントラストがたまりません。家庭で美味しく揚げるには、いくつかのコツがあります。

  1. 水分を徹底的に避ける:前述の通り、しいたけは洗わず、乾いたペーパーで拭くだけにします。水分は油はねの原因になるだけでなく、衣がべちゃっとする原因にもなります。
  2. 打ち粉を忘れずに:衣をつける前に、しいたけ全体に薄力粉を薄くまぶします(打ち粉)。これにより、衣がしいたけから剥がれにくくなり、きれいに揚がります。
  3. 衣は混ぜすぎない:天ぷらの衣は、冷水を使って作り、混ぜすぎないことが重要です。少しダマが残るくらいが、サクッと揚がる衣の秘訣です。
  4. 揚げ油の温度:170℃~180℃が適温です。衣を数滴落としてみて、鍋の半分くらいまで沈んですぐに浮き上がってくる状態が目安です。

揚げる際は、一度にたくさん入れすぎないように注意してくださいね。
油の温度が急に下がってしまい、カラッと揚がりにくくなります。
一つ一つ丁寧に揚げることが、美味しさへの近道です!

飾り切りを入れると火の通りが早くなりますが、旨味エキスが流れ出てしまうこともあるため、丸ごと揚げるのがおすすめです。

チーズフォンデュの意外な具材に

しいたけ 下ごしらえ

パンや野菜が定番のチーズフォンデュですが、実はしいたけも非常に相性の良い具材です。
意外に思うかもしれませんが、一度試すとその美味しさに驚くはずです。

しいたけの持つ独特の旨味成分「グアニル酸」と、チーズの旨味成分「グルタミン酸」が組み合わさることで、相乗効果が生まれ、口の中に強烈な美味しさが広がります。

これは「旨味の相乗効果」として知られており、料理の世界ではよく使われるテクニックです。

チーズフォンデュにしいたけを使う際は、生ではなく、あらかじめグリルやソテーで軽く火を通しておくのがおすすめです。

加熱することで余分な水分が飛び、香ばしさが増してチーズとよく絡みます。

ジューシーな食感と濃厚なチーズの組み合わせは、ワインのお供にもぴったり。次回のチーズフォンデュパーティーで、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

しいたけ下ごしらえの完全ガイド!を総括

この記事のポイントをまとめます。

  • しいたけの下処理は風味を活かすために不可欠
  • 汚れは水洗いせずキッチンペーパーで拭き取る
  • 水洗いは風味と香りが失われる原因になる
  • 軸の先端にある硬い石づきは食べられない
  • 石づきを切り落とした残りの軸は美味しく食べられる
  • 軸は旨味と香りが凝縮されている
  • 生食はしいたけ皮膚炎のリスクがあるため避ける
  • 調理時は必ず中心部までしっかり加熱する
  • 冷蔵保存はキッチンペーパーで包み野菜室へ
  • 冷蔵する際はヒダを上にすると長持ちしやすい
  • 冷凍保存すると旨味成分が増す効果が期待できる
  • 冷凍したしいたけは解凍せずにそのまま調理する
  • 鍋物では飾り切りをすると味が染み込みやすい
  • バーベキューではヒダを上にして旨味を逃さない
  • 天ぷらは打ち粉をすることで衣が剥がれにくくなる